私はかつて、ドアを開けることさえ躊躇われるほどの「汚部屋」に住んでいました。当時は仕事のストレスを買い物で紛らわせ、届いた段ボールを解体することさえ億劫になり、気づけば足の踏み場もないカオスの中に身を置いていたのです。あの絶望的な状況を乗り越え、現在は清潔な部屋を維持している経験から言えるのは、ゴミ屋敷を防止するために最も必要なのは「自分との対話」だということです。なぜ部屋が散らかるのか。それは単にだらしないからではなく、自分の心の中に何か埋められない穴があり、それを物で埋めようとしていたからだと気づきました。防止のためには、まず自分の心の叫びに気づき、適切に休息を取ることが不可欠です。片付けができない時は、体が「もう限界だ」とサインを出している時です。そんな時は無理に掃除をするのではなく、まずは十分な睡眠を取り、心を整えることから始めます。そして、元気が出た時に、たった一つのゴミを捨てる。その「たった一つ」が、防止に向けた大きな力になります。私が今でも実践している防止ルールは、毎日一回は必ず窓を開けて空気を入れ替えることと、寝る前に必ずシンクを空にすることです。空気の淀みは心の淀みに通じ、キッチンの汚れは生活の乱れを象徴します。この二つを守るだけで、不思議と部屋全体の秩序が保たれるようになりました。また、以前の私は「高かったから」「いつか使うから」という言葉を言い訳に、不必要な物を溜め込んでいました。しかし、今の私にとって最大の贅沢は「何もない空間」の心地よさです。物を持つことは管理の手間というコストを支払うことだと理解してから、安易に物を増やさなくなりました。ゴミ屋敷防止は、単なる掃除の技術ではなく、自分の人生をどのように生きたいかという選択の積み重ねです。一度地獄を見た私だからこそ断言できます。清潔な部屋で深く呼吸ができる毎日は、何物にも代えがたい自由と安心を私に与えてくれます。防止を続けることは、自分を愛し続けることと同義なのです。
汚部屋を脱出した私が語るゴミ屋敷防止の教訓