地獄のような努力の末、自力でゴミ屋敷を更地に戻した後に待っているのは、二度と元の惨状に戻さないための「リバウンド防止」という終わりのない戦いです。ゴミ屋敷からの生還者の多くが直面するのが、数ヶ月かけて元の状態に戻ってしまうという悲劇です。これを防ぐために最も有効な戦術は、部屋の中に「絶対に物を置かない聖域」を作り、そこを拠点に生活の質を高めていくことです。まずはリビングのテーブルの上、あるいは玄関の床など、一平米ほどの小さなスペースで構いません。そこだけは毎日必ず拭き掃除をし、一分たりとも不用品を置かないという鉄の掟を自分に課してください。この「聖域」の清潔さを維持できているという自信が、部屋全体への注意力を維持するバロメーターになります。また、物の「定位置」を厳格に決めることも不可欠です。ゴミ屋敷に住んでいた頃は、物を使ったらそのまま床に置くのが習慣になっていたはずです。それを「ハサミはここ」「鍵はここ」とミリ単位で場所を決め、使った瞬間に元の場所へ戻すトレーニングを脳に課してください。さらに、物の流入を厳しく制限する「水際対策」も重要です。無料でもらえる試供品、レジ袋、チラシ、これらは一切家の中に持ち込まない、あるいは玄関で即座に捨てる習慣をつけます。新しい服を一着買ったら、必ず古い服を一着捨てる「ワンイン・ワンアウト」の原則を徹底しましょう。そして、最も大切なのは、定期的に「人を招く」という適度なプレッシャーを自分にかけることです。月に一度でも友人を呼ぶ約束があれば、それに向けて必ず片付けのスイッチが入ります。自分一人のためだけでは甘えが出ますが、他人の目を意識することで、健全な緊張感を保つことができます。ゴミ屋敷を自力で片付けられたあなたには、強靭な忍耐力と実行力があることが証明されています。その力を、今度は「維持」というベクトルに向けてください。清潔な部屋で深呼吸する喜びを毎日噛み締めることが、リバウンドという闇に対する最強の防波堤となるのです。